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『ポテトブック』といえば伊丹十三である。厳密にはアメリカのグラフィック・デザイナー、ポール・デイヴィスの奥方であるマーナ・デイヴィスの著書『The Potato Book』を翻訳したのが伊丹十三なのだが。まず、この本には序文にはっきりと伊丹十三が翻訳したマーナ・デイヴィスの『ポテト・ブック』のオマージュである旨が記されている。それに、生前親交のあった伊丹十三との思い出も。
ジャガイモとはシンプルな食べ物である。そのジャガイモの起源や歴史、料理法をちょっとしたコラム形式で、西淑やnakaban、藤井紗和ら人気イラストレーターのイラストを添えて書いてある。玉村さんはいまも自分の家庭菜園に向かい、ジャガイモを育て、収穫し、その神秘に酔いしれ、調理して食卓に並べ、楽しく美味しく味わっているようだ。伊丹十三の如くある意味偏執狂的で、マーナ・デイヴィスより洒脱で地に足の着いた、とっておきのポテトブック。
(2023年・朝日新聞社)