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1960年代から1970年代にかけて、既成の価値観やさまざまな社会制度に違和感を抱いた若者たちや一部の大人たちが、従来の考え方や社会構造を転覆すべく、既存の概念を破壊し、再構築しようと試みました。それは政治においてだけではなく、さまざまな産業、音楽や文学、性に対する考え方にまで及び、映画においても例外なくそのエネルギーは波及しました。フランスのヌーヴェル・バーグの監督たちが取り入れた低予算で私的な映画の作り方、手持ちカメラによる撮影方法、テレビの普及によるハリウッド式の大掛かりな映画製作の破綻などによって、アメリカで生まれた新たな映画制作手法の波。
本パンフレットはその「アメリカン・ニューシネマ」が胚芽として生まれ、死んでゆくまでを主要な作品や監督、俳優などを時代背景や文化論を交えながら紹介。同時にアメリカン・ニューシネマを代表する伝説的映画『バニシング・ポイント』を様々なトリビアや解説を加え、徹底的に紹介、考察しているなんとも贅沢なパンフレットです。
(2023年・アメリカンニューシネマ研究会)