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この町に本屋があったらと思うことが何度もあった。
仕事がうまくいかない時、子どもが遠くに行ってしまった日、父親が死んだ日……。本屋があればどんなに助かっただろうか。
(まえがき より)
本売って、注文した本を荷ほどきして、また本売って、店を閉めて、子どもを迎えに行って、ビール飲んで、眠る。
本屋という場所を神格化しちゃダメだよなあと思う。本屋はまず何をおいても本を売る場所。いい本を仕入れて、売る。ノベルティに力入れてみたり、美味くもないコーヒー売ったり、すぐにアウト・オブ・デイトになるような雑貨売ったりしちゃ(自戒を込めて)ダメだと思うし、自分がやってることを変に深遠に見せたり、崇高な思想の高みに持ってっちゃダメだよなあ。新鮮な野菜が食べられたらいいのに、という考えから青果店があるように、同じ視座と発想から本屋が生まれるべき。
本屋があればいいのに。町の風景を変える小さなハブのような、アジールのような、シェルターのような場所を作ろうと思い立った22人の本屋を開いた人間たちがリアルな言葉で綴る、本屋と商いの日々。本の雑誌編集部によるいまの「本屋」を知るための一冊。
店主・早坂も寄稿しております。特製栞付き。
(2023年・本の雑誌社)