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「ハムナプトラ」三部作でアクション大スターとしての地位を確立したものの、膝や声帯の度重なる手術など身体の故障により出演作の減少、結婚の破綻、ハリウッドの実力者から性的暴力を受けたと自ら告発。すっかり表舞台から姿を消してしまったアメリカ人俳優ブレンダン・フレイザーが、再びメインストリームに返り咲いたのはダーレン・アノロフスキー監督による傑作『ホエール』(2022)によってでした。この映画で彼が演じたのはボーイフレンドを亡くして以来過食と引きこもりを続ける、体重180キロのクィアである一人の男性。肥満による心不全の症状が悪化し、死期を悟った彼はかつてボーイフレンドと暮らすために捨てた家族、娘エリーに会いに行きます。
贖罪と再生の物語といえる本作と重なるブレンダン自身(本作でアカデミー賞主演男優賞を受賞)のキャリア、ダーレン・アーノロフスキー監督のインタビューをフューチャーしたZINEがA24からリリース。かつてファンだった方も『ホエール』でファンになった方もどうぞお見逃しなく。
(2023年・A24)