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「はい、ロメール的な人の動かし方というのは、今回かなり意識しました。
彼の映画を観ながら考えていたのは、男女の間の「距離の伸び縮み」ということです。例えば、ある種の誘惑みたいなものが起きてそれに釣られたり、こちら側にある種の欲望みたいなものがあって近づいたり、あるいは怒って離れたり、いずれにせよ、そうやって離れたり近づいたりする様子がひとつのダンスのように構成されていて」
(濱口竜介)
完成に至るまでの過程で浮かび上がったエフェメラルな感情、生まれてしまったテンポラリーなもの。何かを作り上げる過程での出来事と、表に出てこなかったものを優先した取材し、掬い上げるパブリケーションシリーズ『MAKING』。
下北沢に2022年1月オープンしたミニシアター「K2」が、映画館と町がともに育っていく過程の豊かさを共有するメディアを目指し刊行を開始。記念すべき00号は同シアターのこけら落としロードショー作品『偶然と想像』の監督・濱口竜介、『鈴木さん』の佐々木想監督へのインタビュー、写真家・山本華のフォトエッセイ、菅俊一によるコラムを収録。
(2022年・Incline LLP)