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「ものが語る」っていうのは、そういうのが伝わるってことじゃないですか。貧しい人は自分で使う道具をとても大切に丁寧に扱うわけです。そうやってものを扱う人のことも見えるわけ。長く使うとね、「使い減り」が起こるでしょ。
ー「蒐集の哲学」
約 70年にわたり、庶民の暮らしに関わるありとあらゆるものを蒐集してきた秋田市出身の蒐集家・油谷満夫。10代で蒐集を始め、農具や民具をはじめ、書籍、印刷物、生活用品など、人々の暮らしに関わるあらゆるものを70年以上にわたり集め続けてきました。その数は50万点以上ともいわれます。それらの蒐集品から浮かび上がる、名もなき市井の人々の生活と風俗、文化と息遣い。油谷の蒐集人生に焦点を当て、キュレーターの服部浩之がインタビューを敢行。民具と美術、アーカイブすることの意味とその軌跡。あらゆるコレクターたちが居住いを正して聞くべき金言の数々。民俗学的価値と、アートへの問いかけ。
写真家・岩根愛による図版、山形在住・気鋭のデザイナー吉田勝信による美しく挑戦的なブックデザインも素晴らしい一冊です。
(2026年・株式会社秋田魁新報社)