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1960年代にはじまった対抗文化とは何だったのか。
その中心人物たちが鬼籍に入り、分子たちが体制側に吸収された今となってはその形骸をなぞるしかないが、その動乱と社会運動の中で生まれたパラノイア、体制側をおちょくり扇動する武器であり手段であった「情報」は、今日われわれを翻弄し、誤った道へ誘う荒唐無稽な論説へと変化を遂げた。
イッピー、ティモシー・リアリー、イルミナティ、マインドファック作戦にシェパード・フェアリー。カウンターカルチャーに力を与えた情報作戦のポジとネガ、光と暗部を、初期のインターネットが保有していた過去と現在、あらゆる情報がリンクしあう編集手法をオンラインではなく紙ベースで成し遂げた稀有な出版物。
札幌を拠点に個人メディアを更新し続ける謎の人物「SAPPORO POSSE」が刊行する160ページにわたる大判のZINE『HYPERTEXT #1』が入荷。"カウンターカルチャーと陰謀論"をテーマに、近年の『Spectator』や初期の『WIRED』的世界観(ヒッピーやテック・カルチャー)に接近しながらも、その縦横無尽な編集スタイルでまったく新しい視点をわれわれに提示する。
(2024年・SAPPORO POSSE)