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ほっぺたにそっと顔を寄せると、皮膚の下に硬い癌の存在を感じる。どこから出ているのかわからない膿のようなにおいにも慣れ、くさいのにかぐことがやめられない。その生臭さに、まだ生きている、と安堵する。
写真家・文筆家、植本一子による、癌を発症した愛猫ニー二とネーネの日常を捉えた写真集。エッセイ「生きている」付き。限定500部。
(2025年・セルフパブリッシング)