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アーバン・ブルーズは続いている。
繁華街には他の国から来た旅人たちが重そうなスーツケースを引きずりながら行列をなして歩いている。ここはいったいどこなのだろう、というコスモポリタンな感覚に陥りながら、何度も誰かと肩がぶつかりながら道玄坂を歩いていく。
彼女は息をしている。この都市で。彼女のようなたくさんの物語が、いまもこの街で続いている。
これはわたしなりの『東京』の続編なのだ、と彼女は言った。
当店出版部刊行の写真詩集『東京』(2022)で詩を担当していたMaiさんによる、ユニークな言語感覚で綴られるエッセイと日記。会社員を辞め、芸人を目指すことになった彼女の、ヘルだけどパルタージュなアナザー・サイド・オブ・トーキョー。
(2024年・セルフパプリッシング)