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耳馴染みの良い「共生」という言葉と表裏一体にあるような、「寄生」というなんとも耳障りの悪い言葉。だが、他者とはそれほど簡単に協調できるものなのか。共に生きる社会とはそんなにもたやすく成就されるものなのだろうか。
バルトの「いかにして共に生きるか」、フーリエの『調和世界』、ブリア=久鬼周造やアーレントらのテキスト、『昭和残俠伝』らの任侠映画から見えてくる友でも敵でもない、「客人」という曖昧な他者の存在。
気鋭の哲学者が食卓と他者の存在から現代社会に覆い隠されている「寄生=パラサイト」の現実を探求する、比類なき書物。
(2023年・講談社)