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日本の写真集史に残る金字塔的一冊が今度はロンドンのパブリッシャー〈MACK〉から復刊します。写真家・川田喜久治が原爆投下から20年後の1965年に限定800部で発売した写真集『地図』は、黒い雨によって壁に残ったしみ、神風特攻隊員が親に送った遺書や肖像、ケロイド化した女性の腕、飲み捨てられたコカ・コーラの瓶、踏みにじられた国旗など戦禍の悲惨さと、戦後からの復興によって経済成長に沸く都市の断片をメタファーとして提示することにより、敗戦という歴史の記憶を記号化しました。2005年、2014年の復刻版に続く今回のリイシューでは、オリジナルの観音開きではなく、断ち切りを採用し次々にイメージが立ち現れる仕様に変更。さらに二分
冊とし、原本の2倍以上の判型に。まったく新しい仕様で、まったく新しい読者に向けてリリースされる伝説の写真集。今回は何と川田自身の直筆サイン入りでお届けします。
(2021年・MACK)