完成予想図から逆算して組み立てたとしても、すでに出来上がりは想像できてしまう。むしろそこにあるよるべなさをたよりに考えてみる。「わからない」という未来に想いを馳せる。 自身の空襲体験から、オリジナリティや独創性は「わからない瞬間」という直感性に宿る、という考え方によって生きてきた母しょう子さん。そうした母のもとに育ち、靴や鞄、はてはセルフビルドで家を作ってしまう息子・耕さん。ふたりののびやかでフレキシブルな関係性、靴・鞄職人である耕さんの真摯で自由なもの作りに通底する哲学に触れることのできる、母しょう子さんと耕さんの共著。子育て、子どもの感性を伸ばす、可能性を広げるとはどういうことなのか。迷える大人たち、これからの未来を生きる子どもたちに読んでほしい一冊です。版元品切れ、貴重なデッドストック本。 (2018年・暮しの手帖社)