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"すべての人間が利己的であるといふことを前提にした社会契約説は、想像力のない合理主義の産物である。社会の基礎は契約でなくて期待である。社会は期待の魔術的な拘束力の上に建てられた建物である”
ー利己主義について
ハイデガーに師事し、孤独であることを肯定した哲学者、三木清。「近頃私は死というものをそんなに恐ろしく思わなくなった」と始まる「死について」は1937年三木が40歳の時に発表され、1941年8月に単行本『人生論ノート』として創元社から刊行。発売1ヶ月ですでに3刷が決まるなど広く大衆に受け入れられていましたが、同年12月に太平洋戦争が開戦。1945年8月にポツダム宣言が受諾されたその年の9月26日、三木は拘禁されたまま獄死しました。
以来長年にわたり版を重ねてきたベストセラーがこの度〈よはく舎〉より「戦争と人間、孤独」集として復刊。人生を「孤独」という観点から、23の項目で見つめる思想の論稿集。
(2024年・よはく舎)