"弁造さんの死後、丸太小屋の遺品を整理する僕の前に現れたのがエスキースの女性たちだった。生前、見せてもらったことがないエキスースも多く、「弁造さんは何を思ってこの女性たちを描いたのだろうか」という、いつもの疑問を抱きながら、鮮やかな色彩をまとった女性たちを薄暗い丸太小屋の床に広げていった" 北海道の小さな丸太小屋で庭を育てながら自給自足の生活を営み、絵を描いて暮らした「弁造さん」。14年にわたり弁造さんを撮影しつづけ、著書『庭とエスキース』を刊行した写真家・奥山淳志が死後遺された彼の膨大なエスキースの一部を一冊の写真集にまとめました。まるでゴーギャンのように豪快でカラフルな筆致で描かれたたくさんの女性たち。生前決して完成されることなく、「自らの理想とする絵に近づくために」執拗にエスキースを描き続けた弁造さん。ひとりの人間の生とその軌跡に想いを馳せながら、ゆっくりとページをめくりたい一冊です。サイン本。特典ペーパー付き。 （2023年・セルフパブリッシング)