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"反抗"とはなんだろう、といつも考える。若い頃はありもしない自由を希求したり、既存の権力に立てつくことがそれだと思っていたふしがあるが、中年を過ぎ、やがて自分が権力の内側にいることを自覚すると、もうジタバタすること自体がみっともないのではないかという境地に至る。それでもやはり昔とった何とかで滑稽で愚かだとわかっていても、型にはまった生き方をしている人や慣習(ルーティン)から抜け出せない人種を見つけると悪態をつきたくなるし、拝金主義者や日和見主義者たちには嫌悪感を覚え、国家権力は相変わらず好きになれない。
そもそもどうして自分のような人格が出来上がってしまったのだろうと考えると、中学生くらいからずっと聴いているロック・ミュージックと物心ついた頃からぼんやりと見始めたアメリカン・ニューシネマが自分に大きな影響を及ぼしていることに気がつく。
例えば、『ファイブ・イージー・ピーセス』。
主人公のボビーがダイナーでオムレツに添えるロールパンの代わりに小麦のトーストを注文するが、ウェイトレスにメニューに書かれているものだけです、代用品はありません、と冷たくあしらわれる。サンドイッチはメニューにあるのに、トーストがないことに憤慨するボビーとウェイトレスのやりとりは痛快で(詳しくは映画を観てみてください)、昔は観るたびに溜飲が下がる思いがしたが、この歳で観直すとボビーがひどく子どもっぽくわがままに見えてしまった。
何かに反抗し続けることはひどく難しい。ある朝、自分は万能の神でもロックスターでもないことに気がつき、自分の権利を侵害する奴らと闘うには歳を取り過ぎてしまったことを悟る。何かに抗い続けることはとてもカッコ悪い。でもカッコ悪いことは社会規範や常識がそう見せているだけで、きっとかっこいいことなのかもしれない。いつも心にボビーを。
BOOKNERD ORIGINAL TOTE BAG、新作を作りました。今回は人気のイラストレーター・ペインター、矢吹純くんにお願いして『ファイブ・イージー・ピーセス』のダイナーのシーンを描き下ろしてもらいました。トートの大きさも今までにないあれもこれもたくさん入る大容量サイズ。いつも心にボビーを。ピース。
コットン100%、厚さ : 12.0 oz
size:横48cm×縦40cm×奥行き15cm
(2022年・BOOKNERD)
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