幼い頃に友だちと遊んだ洞窟は日本軍の要塞跡だった。 韓国最大の島、済州島はかつて日本軍の戦略的な軍事拠点であった。またその歴史は、韓国政府軍が地元の反乱を残忍に弾圧し、罪のない市民を虐殺した四・三事件に象徴される。島の人口の10％以上にあたる3万人以上が殺され、中部山岳地帯のほとんどすべての村が焼き払われた。 知られることのなかった島の歴史と現在進行形の変貌を思い起こさせる廃墟となった建物、険しい自然。深い森。 自然豊かな観光地がかつて大量虐殺の舞台であったことを知った韓国人フォトグラファー、Hyung-Geun Parkによって17年間にわたり撮影された済州島の風景。そこに見えているものの奥や背景にある、目を凝らさなければ見えないもの、横たわっているもの。写真という媒介を通じて浮かび上がる島の多様なアトモスフィア。 (2024年・The Erisky Connection)