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小さな軋みからはじまる対立。略奪と殺戮。この国でかつて起こった、そして今も世界で起こっている戦禍の歴史を包括したような、台詞ナシのシンプルな筆致で描かれる寓話。"太郎"と"TARO"という二人の主人公による視点を正確に捉えるため、それぞれのストーリーを1冊ごとに分け、「正義なんてない」という認識によって進んでいく。『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』の著者による、解釈や意味づけをあえて行わない暴力の発火点の物語。
(2024年・リイド社)