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「ペーパー・アーキテクト(設計図だけの建築家)」としてかつて名を馳せ、今はニューヨークの大学で建築学を教えるアステリオス・ポリプ。
妻のハナと別れる前の幸せだった時代、そしていかに自分が自己中心的で嫌なやつだったかを思い起こしながら自堕落で無気力な日々を送る彼は、50歳の誕生日に起こったある出来事をきっかけに、過去を見つめなおし、自分の人生と向き合おうとする。
完成まで10年の歳月を費やしたという洒脱で、繊細なセンチメンタリズムに貫かれた、アメリカン・グラフィック・ノヴェルの金字塔ともいうべき一冊。
(2024年・サウザンブックス社)