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「この本は、……きっとそんなに売れないだろうと思います。私たちは貧乏ですから、売れないと困りますけれど、……何十万も売れるためには、私たちの、したくないこと、いやなことをしなければならないのです」
「どうか一冊でも、よけいに、お友だちにも、すすめて下さいませ」
(暮しの手帖・第一号 あとがき より)
1948年の創刊以来、30年にわたり『暮しの手帖』の編集長を務めた花森安治。誌面企画や執筆、誌面レイアウト、表紙画やカットなどにとどまらず、自社の広告も意欲的に手がけました。本書には、創刊初期のポスターにはじまり、「商品テスト」「戦争中の暮しの記録」などの名企画を知らせた電車の中吊り広告全点、新聞広告、書店広告など、他社の広告を取らず、編集者としてその信念を貫いた花森が世の中に語りかけた、強く美しいコピーや緻密なレイアウトなど、バラエティ豊かなデザインを幅広く収録。「広告」の持つ意味を深く考えさせる一冊です。
(2024年・暮しの手帖社)