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1986年から10年近くにわたり、アーティスト・映画監督のデレク・ジャーマンがパートナーと共に作り上げた家と庭。1994年にジャーマンがエイズで亡くなった後、世界的に有名なその庭と家はネットのカーテンがかけられ、誰も訪れることができなくなっていましたが、2018年にジャーマンのダンジネスの友人で写真家のギルバート・マッカラガーがそのジャーマンの家を撮影し、記録するよう依頼されました。壁に掲げられた宗教画、泥のついた庭いじりの道具、積み重ねられた石、ベッドの傍らに置かれた聖書。自身の敬虔さと俗物性とに苛まれながら晩年を過ごした主人をそっと見守るように整えられた、主なき家。『デレク・ジャーマンの庭』の副読本ともいうべき、読むのではなく見ることによって知るデレク・ジャーマンの魂。
(2024年・Thames&Hudson)