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戦争に行き、市電を運転し、結婚し、庭のある家に住み、庭を手入れして、そして亡くなった祖父の小さな庭。南天や水仙。細かく手入れされたプランター。土の湿り気。太陽の光。枯れた葉。季節が巡り、主をうしなってもなお、芽を吹く生命。
人と植物の営み。共生。種を蒔く者が去ってもなお、続いていく緑のそのおおらかでゆるやかな連鎖を、祖父のたおやかな手の温もりとその所作を、瞼の奥で想起するように写真家・片岡俊が14年かけてカメラに収めた写真集。
(2024年・赤々舎)