本物のホームレスから持ち物を借用したファッション雑誌の広告、本物の社員を起用した広告代理店のセキュリティ啓発、ロロノア・ゾロに百人斬りされる人々と現実の高度資本主義社会の労働市場を重ね合わせた求人情報サイトのイメージ広告。写真家・薄井一議が作り上げてきた虚実がないまぜになった広告写真は、生成AIが登場することによって問われる写真の実存に挑戦する最後の広告写真と言えるのではないだろうか。 写真家・薄井一議が自身が手掛けた広告写真群から虚構性に潜むリアリティを浮かび上がらせるユニークな写真集。菅付雅信（編集者)による寄稿も収録。 (2024年・magic hour edition)