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デヴィッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界

2,530円

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デヴィッド・ストーン・マーティンについて知っていることを語ろう。 実は今回のLAでの古書の買い付け旅行のなかでは数タイトルの探究本のリストを携えて行った。それは顧客からのウォントが入ったタイトルと、自身が長年探しているタイトルも含まれていた。そのリストの中にはデヴィッド・ストーン・マーティンがカバー絵を手がけた『TIME』誌もあって、デヴィッド・ストーン・マーティン(以下、DSM)はぼくの中でいつも気にかけているイラストレーターのひとりと言っても過言ではない。 DSMについて知っている事はあまりにも少ない。1913年にイリノイ州シカゴに生まれ、1992年に亡くなっていること。ジャズ界の大物プロデューサー、ノーマン・グランツが立ち上げたクレフ/ノーグラン・レコードで数多くのレコード・ジャケットをデザインしていること。彼の作品をまとめて見ることのできる書籍はほとんどなく、唯一日本で刊行された『ジャズ・グラフィックス―デヴィッド・ストーン・マーチンの世界』(1991年・グラフィック社刊/絶版)のみであること。 だから、生粋のジャズ・レコード蒐集家である村上春樹氏がDSMの本を刊行するのは、この不遇のイラストレーターにとってとてつもない快挙であると言える。チャーリー・パーカー、スタン・ゲッツ、オスカー・ピーターソン etc……。そのナイーブな線画とパステル調の色合いの調和、クールで抑制された構図。レコード・ジャケットからそのジャズの音階と音色が聴こえてくるような、実に音楽的なジャケット・デザインの数々と村上氏の極上のジャズ・エッセイを愉しめるこの本を入り口に、たくさんの人がDSMの仕事に着目してくれたら。願わくばDSMの作品集も復刊してください、文藝春秋さま。 (2024年・文藝春秋)

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