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『ライ麦畑』をはじめて読んだ日のことを覚えているだろうか。サローヤンの『人間喜劇』は?パヴェーぜの『月と篝火』を読んだ夜のことは?
アメリカ文学を読むことの意味を大阿久さんは"抱きはじめた苛立ちに応えてくれるもの"だと形容した。どうにもならない社会構造や孤独を前に、ただ主人公たちが途方に暮れ、じたばたしている。そこが読むものに不思議な安堵感をもたらし、救いを与えてくれるのだ、と。
大学生の女の子が読む等身大の文学案内。ソール・ベロー、スタインベックから、トニ・モリスン、アドリエンヌ・リッチまで。現代作家の小説や詩、北米先住民の口承文学まで。大学生で文筆家の著者・大阿久佳乃が、アメリカ文学・海外文学を読みながら、生活すること・生きること・感じることについて綴った18編のエッセイ。
(2023年・サウダージ・ブックス)