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"夜机に向かって予習していると、何か食いたくなり、
何が食いたいかと考えて見ると、シュークリームが
ほしくなって来る。
その時分は一つ四銭か五銭であったが、そう云う
高いお菓子をたべると云う事は普通ではない。"
内田百閒が特に特別な思い入れを抱いていた菓子シュークリームから、故郷岡山の風景と祖母の思い出を語る表題作「シュークリーム」、師と仰ぐ文豪・夏目漱石に金の無心に行く「漱石先生臨終記」など、作家のユーモアとペーソスを感じる掌編7編を収録した「灯光舎 本のともしび」シリーズ第1期最終巻。
(2023年・灯光舎)