ジェイ・マキナニーがたたずむ、アトランティック・マンスリー・プレスの編集室。初々しさの残るイーサン・ケイニン、ポロシャツを着てキャップを被ったティム・オブライエン、ジョン・フォックスのアパートメントのレコード棚から覗くトーキング・ヘッズ。物質主義にまみれた世界をあざ笑うかのように彗星のように現れたアメリカの現代作家たち。あたらしく、輝いて見えたアメリカン・カルチャーと、そうした1980年代のアメリカ作家たちの短編・中編を青山南、柴田元幸らの瑞々しい翻訳、藤本和子、井上一馬、川本三郎、片岡義男らのコラムとともに紹介した一冊。再読するたびに背伸びをして『ブライト・ライツ、ビッグ・シティ』を読んでいた中二の夏に戻ります。表紙経年ヤケ。 (1989年・新潮社)