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子どもみたいな人、と言われる人がいる。
それは子どもじみている、という事を指す場合もあるが、子どもみたいに純粋無垢で無邪気な人という、だいたいが良い意味で受け取られるのではないだろうか。その人に宿る子ども性は側から見るとずいぶんとのんびりとしていて呑気に見えるかもしれないが、大概ぼくが知る「子どもみたいな人」は、自身に宿る子ども性に対してひどく真摯で、死ぬ気でそれを毎日磨いている。それはちょっと油断するとその無垢さがすぐに死んでしまうからで、大人の世界で生きていると子どもみたいな言い訳は通用しないから、ということもある。
ぼくの知る松永良平さんも毎日死ぬ気で自身の内にある子ども性を磨いている人だ。そんな人がぼくらの少し先を歩いていることをいつも誇らしく、頼もしく思う。
ただ音楽が好きだった落ちこぼれ大学生がいつの間にか音楽ライターになるまで。たくさんの音楽と、友情と、出会いと別れ。レコード屋での日々、出会ったミュージシャンたち、そしてその後ろに流れていた数々の名曲を、真っ直ぐな筆致で綴る青春エッセイ。
2019年に出版されたこの名著を、松永さんのご厚意でサイン本+松永さんご自身によるミックスCDをセットで販売いたします。数量限定のためお早めに。
今回分よりミックスCDは春仕様の「春を待っている」が付属します。
(2019年・晶文社)