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"ビートルズが四人で百パーセントだとするのなら、それぞれ二五パーセントのビートルズが、ひとりのホールデン・コールフィールドだった。二五パーセントのビートルズは、。テレビという最高にクールなメディアをとおして、誰もが、その気になりさえすれば、いますぐにでも、ホールデン・コールフィールドになれるのだと、全身で陽気に歌ったのだ。"
(「ホールデン・コールフィールドと25%のビートルズ」)
1973年に植草甚一責任編集によって創刊された伝説的な雑誌『ワンダーランド』の立ち上げメンバーとして参加、やがて『宝島』と改名されたカウンターカルチャー・マガジンの編集長として活躍した北山耕平が1976年に発表したエッセイ集『抱きしめたい』、2008年に出版された編集者時代を振り返った回顧録『雲のごとくリアルに』から抜粋された、70年代の濃密な空気と対抗文化の芳香を感じることのできる北山耕平のエッセイ集。
(2022年・筑摩書房)