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評論にエッセイ、コラムに対談やヴィジュアルページなどを一段組や二段組みなど、異なる組み方を自由自在にレイアウトして編集する。1971年に晶文社から出た植草甚一『ワンダー植草・甚一ランド』をその嚆矢とする、「ヴァラエティブック」という書籍のスタイルを愛するようになったのはいつ頃からだろう。
植草甚一に小林信彦、双葉十三郎に筒井康隆。気がつくと手元にはヴァラエティブックばかり揃っていく。
いつか自分もこんな本を作りたい。編集者でもないのに、いつもそんな夢想をしながらページを捲っていた。
片岡義男、和田誠、ブコウスキー、伊丹十三のこと。奥野実や三月書房、山田稔ら京都のお祖父さんたちのこと。
本屋を営むことの矜恃を記した日記に、講演に対談。
滅法面白くて、アナーキーで、内省的。
ひと通り読んで激しく嫉妬した。これは堀部さん流のヴァラエティブックだと思った。
京都の書店〈誠光社〉店主、堀部篤史さんの最新刊は様々なメディアへ寄稿したエッセイや対談、店舗日誌などを纏めた一冊。
(2022年・誠光社)