“A town isn’t a town without a bookstore.” 「本屋の無い街なんて街じゃない」 ガブリエル・ぜヴィンによる書店主を主人公にした小説『書店主フィクリーのものがたり』の中に登場するこの台詞の意味を、ぼくは書店を開業してからずっと考えています。街は誰のものなのか。街はそこに暮らす人間たちの血流のようなもので、それがあたたかなものなのか、冷酷で寒々としたものなのか。決めるのはそこに生きるわたしたち住民なのだということ。街をたとえばひと晩でいっぺんに塗り替えることはできないが、じぶんたちがなぜそこにいるのか、壁に留まったピンのように、街に定点をつけることはできる。定点はやがて精神的なコモンズ(共有地)となり、共有地のなかで人々が祈りのように生きる目的を見つける。本屋はそのような場所でなければならないというファンタジーを信じているぼくは、フィクリーの言葉をいつも事あるごとに思い出します。 ガブリエル・セヴィンの『書店主フィクリーのものがたり』の台詞をプリントしたトートバッグをBOOKNERDオリジナルとして制作しました。本日より11月30日(火)までご予約受付中。お届けは12月中旬を予定しております。 size:H370mm×W360mm、奥行き110mm、取っ手150mm (2021年・BOOKNERD)