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黙々と餌を運ぶ親ツバメを見ていると、ただ子供にご飯を食べさせることが、それだけでも親の役目は十分に果たしているよね、とシンプルに思わせてもらえて、なんだか励まされるような気持ちになり、塞いだ気持ちが晴れていくようだった。
――川内倫子
川内倫子の撮り下ろし最新刊は、世界中のさまざまな写真家の視点から「鳥」を捉えたシリーズ「Des oiseaux」(デゾワゾー)の一冊としてリリース。2020年自宅の近所でツバメの巣を見つけた川内は、ツバメの親子の生態をカメラに収めていきます。餌を求め空を飛行する親ツバメ。親鳥の帰りを待ちわび、精一杯の口を開けるヒナ鳥、植物の芽吹き、陽光の輝き。普遍的な生の営み。そのシンプルな力強さが伝わってくる、そんな写真集です。
(2021年・HeHe)