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氷柱の声

¥1,485 税込

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東日本大震災では1万5,899人の方が犠牲になり、未だ2,526人の方が行方不明のままだ(2021年2月時点)。 福島第一原発の原発事故による帰宅困難者は未だ4万人近く。 そうした数字がいつも淡々と、ニュースや新聞で報道される度に、そのうちの1人が自分の家族や親戚や友人、知人でないかぎりわたしたちはその被害の、哀しみの大きさを自分ごととして捉える事は不可能なのだと感じる。被害を受けなかった者としての振る舞い方。哀悼の、惜別の表し方。想像では計り知れない大きな哀しみがそこには横たわり、わたしたちは当事者の側に決して最後の最後には近づく事はできないのだという思い。世の中がしきりに「絆」や「頑張ろう」などと連呼すればするほど、虚しく、嘘臭く響く言葉たちの白々しさ。くどうれいんがこの小説でしきりに言語化しようと試みたのは、そうしたわたしたちのような悲劇の外側にいる人間たちの思いである。悲劇の渦中にいる訳でもなく、あたたかなベッドで眠り、家族やペットが傍にいる者たちの、それでも彼らとのあいだに流れている大きな河をなんとかして渡ろうという思い。この本を手に取る者たちにとって賞レースはどうでもいい。とにかくくどうれいんが辿り着いた地平線に、大きな拍手を送って欲しい。 (2021年・講談社)