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同じくらいの給料で、世俗の中で豊かそうな外見で暮らしている人よりも、ジャンパーでやっている私の方が、本質的には豊かな暮しができると思っている。いつもポケットにお金が残り、また時間も浮くからだ。(中略)
世の中に生きていて、いろいろ考えさせられることをこの一冊に盛り込んでみた。
(著者いわく、より)
考現学を提言した今和次郎は常に20着ほどのジャンパーをクローゼットに揃え、毎日どれにしようか悩んでいたといいます。冠婚葬祭や宮廷への訪問、大使館へのパーティもジャンパーで通した今和次郎の服装哲学から始まり、礼儀作法やユニフォーム、着物にいたるまで、古今東西の衣服について考えをめぐらし、自身のユーモラスで味のあるカットを交えながら持論を展開していきます。まさに市井を生きる人々の服装文化史。経年のヨレ、ヤケはありますが通読にはまったく問題のない状態です。
(1967年・文化服装学院出版局)