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「アメリカン・スリープオーバー」という映画が傑作なのは、もう二度と戻らないことがわかっている夏休みの終わりの一日が描かれているからだ。思春期とは、甘酸っぱく、ほろ苦く、なんともやりきれない。情欲や、空回りや、行き場のないもがきを、その感情をどこまでも真摯に描いているこの小説を読んでいたらあの映画を思いだした。
きになるボーイフレンド。ダンスパーティー。お酒にタバコ、はじめての万引き。傷つきためらいながら、ほんとうのじぶんを見つけていく少女の成長日記。
(1981年/パトリシア・リー・ゴーチ/晶文社)