YOKO TAKAHASHI WHITE LAND
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YOKO TAKAHASHI WHITE LAND

¥6,264 税込

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冬の早朝、故郷の町で目を覚ます。昨晩まで家々の屋根に吹き付けた風はおさまり、しずかな白い世界がどこまでも通りには広がっている。無人の銀世界。澄み切った冬のキンとした空気を吸い込んで一歩外に出る。どこまでも高いくぐもった空と果てしなく広がる無垢な、それは誰にも汚されていない、ぼくだけしか知らない世界だと思うのだ。 * 高橋ヨーコさんの"WHITE LAND"を眺めていたらあのときの、あの感情がオーヴァーラップして冬の町にひとり取り残された気分になった。 * 1,000部限定 WHITE LAND/高橋ヨーコ * 24年間孤独と向き合って撮りためた極寒の景色の記録。 * なぜその地を選んだのか、はっきりとはおぼえていないのだけれど、壁が崩壊して間もない鉄のカーテンの向こう側を見てみたかったのと、その凍てつく寒さと白い世界に自分の身を投げ入れてそれを写してみたかったのだと思う。予想に違わぬ厳しい寒さと、まだまだ共産主義の色が濃く残る社会のシステムへの戸惑いから、これから毎日どうなるのだろうという不安でいっぱいであった。 -40度にもなろうかという知らない街でただカメラを提げて歩き回り写真を撮った。誰かにもらった期限切れのフィルムと中古のNikon。 写真を撮ること以外にはやることはなく疲れたら宿に帰り、言葉のわからないテレビをぼんやりと聞き流す。お湯の出ない部屋では温まることもできず寒さで震え薄い毛布にくるまった。撮ったフィルムだけは失くさぬように大切に抱えて移動を繰り返し、なんとか無事に旅を終えた。 あの時から20数年が過ぎ、もっと沢山のカメラを持てるようになり(運ぶのが大変になった)、期限の切れていないフィルムを存分に持っていける(撮り過ぎてしまう)ようにもなった。お湯の出ない部屋に当たることはあるけれど少しはマシな宿にも泊まれるようになった。けれども変わらずカメラを提げて世界のどこかへ白い世界を探しに出かけている。旧ソビエトから北ヨーロッパ、そして北海道。何度行ってもうまく雪の日に当たることができず1枚も撮影しなかった街もある。シベリアへは何度足を運んだだろう! そしてどこに行っても未だにカメラを提げて歩き回るだけで、写真を撮ること以外にやることはないままだ。 (2018年・ontario press)